昨年、日本を代表するアニメ制作会社、京都アニメーションが放火され、何人ものアニメーターたちが犠牲になりました。これにより多くの作品の制作に影響がでましたが、その中でも特に公開が期待されていた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」劇場版が、今年9月に劇場公開されました。
この作品は、20世紀初頭のヨーロッパを思われる架空の世界を舞台に、タイプライターで口述筆記を請け負う女性が主人公。戦争により引き裂かれた家族や恋人たちへの手紙を口述筆記する中で、戦争の道具として心を失っていた主人公が、徐々に人間の心を取り戻すというストーリーです。アニメとは思えない静かなテーマですが、きめ細やかな心の動きを表現した美しい画面が、海外からも高い評価を得ているようです。
社会の激動で翻弄され、ややもすればかき消されてしまう個人の心の声を、文字に置き換えて届ける大切さ。あらためてそれを感じ、私達コトバコのスタッフも勇気をもらいました。